レチノイン酸(トレチノインクリーム)使用時の注意点
レチノイン酸はビタミンAの代謝産物で、細胞増殖分化の制御因子として白血病の内服治療などにも使われています。
外用剤としては、海外でニキビ、光老化の治療薬として広く使用されておりますが、日本では未認可の薬です。
レチノイン酸の皮膚における作用としては、角質の剥離、角化細胞のターンオーバーを促進し、皮膚細胞の強い増殖促進作用を持つため、表皮は肥厚し、角質がコンパクトになります。
また、真皮のコラーゲン産生を促し、長期的に使用することにより、真皮が肥厚します。さらに、皮膚の創傷治癒を促進する働きもあり、皮脂の分泌を抑制します。
したがって、以下のような疾患、症状に有効です。
- 適応症:
- シミ、くすみ、肝斑、そばかす、炎症後色素沈着、ニキビ、小じわ、ケロイド、扁平いぼなど。
- 注意点:
- 妊娠をご希望の方、妊娠中は使用を避けてください。
使用後1~3日目に赤み、皮むけなどの症状がでます。アレルギーではないため、原則的に外用は(回数を減らすなどして)継続してください。
痛みが強く、ひどく赤くかぶれたり、血がにじむようなことがあれば、すぐに中止し、受診してください。
外用開始後、1~2週間以内に必ず受診し、経過をお聞かせ ください。
皮がむけ、かなり乾燥しますので、十分に保湿をしてください。
使用中は必ず日焼け止めクリームを使用してください。
レチノイン酸は分解が早いため、冷蔵庫で遮光し、1ヶ月以内に使用し、新しく処方を受けてください。
トレチノインクリームは開封後1年以内に使用してください。
- 妊娠をご希望の方、妊娠中は使用を避けてください。
- 使用方法:
- シミ、くすみ、肝斑、そばかす、炎症後色素沈着
指で1日1~2回患部に薄くつけてください。
ハイドロキノンなどの美白剤を併用する場合は、化粧水、レチノイン酸(トレチノインクリーム)、美白剤、乳液・・の順番でつけてください。
ハイドロキノンと併用を最低3,4ヶ月は継続します。
- シミ、くすみ、肝斑、そばかす、炎症後色素沈着
この薬はカウンセリングをうけてからの処方になります。