ピコレーザー
施術方法・経過
1)ピコスポット (ルビーレーザーと同様のしみ治療、2つの照射方法あり)
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高出力照射(効果大!高率に炎症後色素沈着はでますが、2~3ヶ月で消失)
適 応:しみ、太田母斑、ADMなど
照射部位にスキントンテープを貼ります。その上からステロイド軟膏を朝・夕2回塗布していただきます。 最低1週間、可能ならば2週間テープを貼り続け、その後剥がしてください。
出血、赤み、かさぶたがまだみられた場合、さらに1週間テープを貼ってください。 -
マルチパステクニック(テープ貼りたくない場合、薄くなればよい、複数回の照射)
しみ1カ所につき2~4パス照射します。2週間、朝・夕2回、ステロイド軟膏を外用していただきます。点状のしみは、テープは不要です。大きめのしみはテープを貼り、その上から ステロイド外用を2週間継続します。
いずれの場合も、施術後からメイクは可能です。 施術後はシミの色が少し濃くなりますが、1~2週間以内で痂皮が脱落するか、徐々にしみは薄くなります。ピコスポット照射後、炎症後色素沈着になることもあります。 ルビーレーザーほど長く(半年~1年程度)はありませんが、1~2ヶ月は経過観察を要します。 3ヶ月以降もしみが残る場合やパワー不足と判断した場合、再度照射を行うか、ピコトーニングに切り替える場合もあります。 |
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(注) | 1mm以上隆起したしみ・いぼは、ピコスポットより、ルビーレーザーを選択します。 |
2)ピコトーニング ◎低出力のピコフラクショナルと同時施術が可能です
適 応:肝斑、レーザーや傷跡の炎症後色素沈着、もやもやとしたクスミ
低出力のレーザーを、広めに連続照射(2パス)していく治療方法で、熱ではなく衝撃波でメラニン色素を粉砕させて除去します。
肌へのダメージを最小限に抑え、表皮および真皮上層のメラニンを破壊し、色素の排泄を促します。表皮層の厚みも増すため、ツヤ・ハリ感も感じられます。
痛みやほてりを感じた場合は、施術後にクーリングを行います。
(注) | 1ヶ月毎に3~5回、連続10回行った場合、最低3ヶ月はお休みいただきます。10回以上続けることで、点状の白斑のリスクが高くなります。 |
(捕捉)肝斑の上にしみがある場合 | |
可能な限り、内服、美白剤などの保存的治療を最低1ヶ月はお勧めします。 まずはピコトーニング(+低出力ピコフラクショナル)を1ヶ月以上あけて3~5回、その後にピコスポットでしみ治療を推奨します。 肝斑上のしみは、はじめからスポット照射を行うと、炎症後色素沈着が3ヶ月以上長引いたり、肝斑が悪化する場合があります。 |
3)ピコフラクショナル ◎低出力と高出力があります
専用のMLA(マイクロレンズアレイ)レンズを装着して点状に集中したエネルギーを出力すると、光学破壊がおきてプラズマが発生。それにより、衝撃波が生じて、表皮の一部や真皮の組織にダメージを与えます。真皮にある線維芽細胞や血管内皮細胞が刺激され、コラーゲンやエラスチンを増生し、毛細血管などのリモデリング(再構築)がおこります。
結果、皮膚のハリ、毛穴の引き締め、小ジワの改善、ニキビ痕・傷跡や赤みの改善、色白効果をもたらします。1~2ヶ月毎に3~5回の施術をお勧めします。
低出力のピコフラクショナルでは、痛みをほとんど感じませんので、ピコトーニングと同時施術が可能です。くすみと肌質の改善のために同時施術はお勧めします!
また、ピコトーニングを行っても、もやもやとしたクスミや肝斑がなかなかきれいにならない場合、低出力ピコフラクショナルに変更すると、肌のトーンが明るくなり、肌質が改善することがあります。
高出力で照射する場合、痛みを伴いますので、リドカイン10%外用麻酔薬、またはペンレスという貼る麻酔薬を使用します。施術の1~2時間前に外用を行います。
ニキビ跡、しわ(顔や首)、傷跡などは高出力パワーが必要です。
照射後、組織が破壊された証である、小さな空胞ができ、その中に赤血球が入り込み、点状の出血として見られますが、皮膚表面の出血はおきません。
直後から痛み、点状の赤いブツブツや痒みが起こる場合があります。
痒みが強い場合は、ステロイド剤外用、にきび様の箇所には抗菌剤の外用をお願いします。
点状出血が気になる時は、顔なら、コンシーラーやファンデーションで、首ならスカーフか、ハイネックの衣類でカバーしながら、3~7日程度で消退するのを待ちます。
その後一時的な炎症後色素沈着になる場合もありますが、1~2ヶ月程度で消失します。
(補足)
当院にあるダーマペンは、出血、赤みなどが3~7日間おき、その後痂皮ができたり、炎症後色素沈着が起きやすいことがデメリットです。
ただし、極細針で物理的に深い傷を作ったあと、コラーゲンピールを入れる事で、真皮の深いレベルでの肌のリモデリング(再構築)が可能です。
注意事項
- 施術後は一時的な炎症による乾燥が強くなりますので、充分に保湿を行ってください
- 施術前後の数日間は、刺激のある外用剤(レチノイン酸/トレチノインクリーム、ハイドロキノン、グリコール酸やサリチル酸ピーリング、アダパレン・ベピオゲルなど)を中止してください
- 施術後はスキンケアやマッサージなどで擦りすぎないようにしてください
- 施術当日は激しい運動や飲酒、サウナはお控えください
- お化粧は翌日より可能、日焼け対策を忘れずに行ってください
同意書はこちら↓↓↓
ピコフラクショナル用同意書
色素斑用同意書
ルビーレーザー
ルビーレーザー治療経過
お化粧を落とした後、治療部位を5分程度冷やし、レーザーを照射します。一瞬、ゴムではじかれたような痛みを感じ、その後ヒリヒリします。 稀に、照射直後に点状出血、皮下出血が見られることがありますが、4日~1週間程度で吸収されます。多少の赤みが残りますが、やがて、かさぶたになります。
1~2週間後にかさぶたが自然にはがれ、ピンクの肌になります。 2~4週間目にしみが淡く出てきたように感じますが、一時的な炎症後色素沈着です。
炎症後色素沈着は3ヶ月程度で薄くなります。 照射後、6ヶ月程度で9割の方はしみがさらに薄くなっていきます。
原則として、治療部位の赤みが取れるまでの約2~3ヶ月は、その部位の再照射は行いません。 炎症後色素沈着になった時点で、美白剤(ハイドロキノン)の外用をお勧めすることがあります。
施術後1ヶ月目に再診していただきます。わずかにもり上がるタイプのいぼ(脂漏性角化腫)の場合、1ヶ月後に隆起が残っている場合は、再照射を検討します。
ルビーレーザー治療回数と治療時間
- 脂漏性角化症
- 1回~数回程度
- (真皮メラノサイトーシスなどの皮膚の深い場所にあるしみは、2-3か月ごとに5回以上を要することもあります)
- しみ治療
- 5分程度
- ※麻酔テープ(ペンレス)をご利用の方は、予約の1時間前に患部に貼ってから来院してください。
- ※1cm2未満のしみには麻酔は行いません。
- 5分程度
ルビーレーザー注意点
当日よりシャワー、入浴は可能ですが、照射部分はなるべく擦らないように、軽く洗い流す程度にしてください。
照射後、強い赤みや水疱、痛みなどが出た場合、追加の治療が必要なこともありますので、必ず、医師の診療を受けてください。
かさぶたが取れた後、皮膚がジクジクすることがなければ、患部の化粧は可能です。日焼け止めクリームでの遮光を継続しないと、しみが再発することがありますので、注意してください。
妊娠中の方は、ホルモンの影響でしみが濃くなりやすいため、出産後の治療をお勧めします。
当院では、ほくろや皮膚腫瘍の合併、日焼けをした肌、傷やケロイドなどの状態、刺青、扁平母斑、その他の疾患によってはレーザー治療を行わない場合もあります。
しみ治療後の自宅処置
洗顔は当日より行ってください。
数日間はステロイド剤の外用を行った後、ラップで覆い、肌色のテープを貼ってください。
3~4日目よりステロイド剤の外用を中止し、患部に直接ラップを貼りテープで固定してください。